入るまでの間は、
別の窓口で手を打てます
残高を見るのが怖い。家賃の引き落とし日が近い。それでも、傷病手当金そのものを早く出させる方法はありません。ここで書くのは、入るまでの間に、別の場所で手を打っておく方法です。尽きてからより、尽きる前のほうが選べる手が多く残っています。
今週やること。全部でなくていい
固定費から止める
- ① 保険料の減免・徴収猶予を相談する国民健康保険に切り替わっているなら、市町村の窓口です。国民健康保険法第77条は「市町村及び組合は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる」と定めています。収入が大きく減ったことが「特別の理由」にあたるかは条例によります。聞くだけなら無料です。
- ② 家賃が払えそうにないなら、自立相談支援の窓口へ生活困窮者自立支援法にもとづく相談窓口が、市町村(福祉事務所)に置かれています。住居確保給付金という制度があり、条文は「離職」だけでなく「収入が著しく減少した」場合も対象として挙げています。該当するかは省令の要件で決まるので、窓口で確認してください。
- ③ 社会福祉協議会に「つなぎ」の相談をする市区町村の社会福祉協議会が、生活資金の貸付の窓口になっています。「傷病手当金が入るまでのつなぎ」と目的をはっきり言うと、話が早く進みます。
- ④ 携帯・電気・水道は、止まる前に事業者へ支払期日の延長に応じる事業者があります。止まってからの再開には手数料がかかることがあるので、止まる前のほうが軽く済みます。
4つ全部やる必要はありません。いちばん大きい固定費が家賃なら②、保険料の督促が来ているなら①から。
「傷病手当金を担保に」は、できません
お金に困っていると、「傷病手当金が入るまで立て替えます」「受給予定額を買い取ります」という話が近づいてきます。これは条文上できない取引です。
「保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない」
健康保険法 第61条(受給権の保護)
譲り渡すことも、担保にすることもできません。だから、そういう申し出を断るのに理由を考える必要はありません。「法律で担保にできないことになっています」で終わりです。
断るのが怖い相手なら、理由も言わなくて構いません。あなたの側に説明する義務はありません。
どこに何を相談するか
窓口の分かれ方
| 困っていること | 窓口 | 根拠・性格 |
|---|---|---|
| 保険料が払えない | 市町村の国民健康保険の担当課 | 国民健康保険法第77条(減免・徴収猶予) |
| 年金保険料が払えない | 市町村の年金担当課・年金事務所 | 国民年金法第90条(申請免除)※国民年金の被保険者になっている場合 |
| 家賃が払えない | 市町村の福祉事務所・自立相談支援機関 | 生活困窮者自立支援法第6条(住居確保給付金) |
| 生活費が尽きる | 市区町村の社会福祉協議会 | 生活資金の貸付 |
| どれも当てはまらない/全部つらい | 市町村の福祉事務所 | まず相談先を整理してもらえます |
2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認した条文です。金額・要件・実施の有無は自治体によって違います。制度があることは全国共通、使えるかどうかは自治体ごとです。
迷ったら、市町村の福祉事務所に1本かけてください。「傷病手当金を申請中で、入るまでの生活費が厳しい」と言えば、どの窓口に回すかは向こうが判断します。
窓口に行くのが、気が重い人へ
「この程度で相談していいのか」と思って、行けないままの人が多くいます。
生活困窮者自立支援法第3条は、生活困窮者を「現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」と定義しています。すでに尽きた人だけではなく、このままだと尽きる人が、条文上の対象です。
体調が悪くて窓口まで行けないなら、電話で構いません。「傷病手当金の入金待ちで、生活費の相談がしたい」——この一言で用件は伝わります。
相談したのに、断られた人へ
1つ断られても、他が閉じたわけではありません。制度ごとに要件が違うので、住居確保給付金が対象外でも、保険料の減免は通ることがあります。逆も同じです。
そして、断られた理由を聞いておいてください。「収入がある」なのか「資産がある」なのか「実施していない」なのか。理由が分かれば、次にどこへ行くかが決まります。
並行して、傷病手当金そのものが止まっていないかも確認してください。→ 止まっている場所を特定する
状況別の考え方
家賃の引き落としが来週で、間に合わない
カードローンで先につなごうと思っている
親や家族に言えない
すでに数か月、貯金を取り崩している
退職も考えている
よくある取りこぼし
尽きてから相談しようと思っていた
条文の対象は「おそれのある者」を含みます(生活困窮者自立支援法第3条)。
「傷病手当金の前借り」に応じかけた
法第61条で、譲り渡し・担保に供することはできません。
保険料は待ってもらえないと思っていた
減免・徴収猶予の定めがあります(国民健康保険法第77条)。条例によります。
住居確保給付金は離職者だけだと思っていた
条文は「収入が著しく減少した」場合も挙げています。該当するかは省令の要件によります。
窓口が多すぎて、どこに行くか決められなかった
福祉事務所に1本かければ、振り分けてもらえます。
公共料金が止まってから慌てた
止まる前のほうが、延長の相談が通りやすく、再開の手数料もかかりません。
よくある疑問
相談すると、会社に知られませんか
貸付は、返せなかったらどうなりますか
生活保護は、傷病手当金をもらっていると使えませんか
傷病手当金が入ったら、返さないといけませんか
そもそも、傷病手当金がいくら入るのか分かりません
このサイトは、傷病手当金の手続きが実際にどう動くのかを、健康保険法と施行規則の条文で確かめて書いています。金額と支給の可否を決めるのは、加入している健康保険の保険者です。ここでは、条文で決まっていて全国どこでも同じ部分と、あなたの側から動かせる部分を書きます。病気の症状・診断・治療には触れません。
確認に使った一次情報
- 健康保険法 第99条(傷病手当金)/第104条(継続給付)/第108条(報酬等との調整)/第61条(受給権の保護)/第193条(時効)/第58条(不正利得の徴収等)e-Gov法令検索
- 健康保険法施行規則 第84条(傷病手当金の支給の申請)e-Gov法令検索
- 国民健康保険法 第77条(保険料の減免等)e-Gov法令検索
- 生活困窮者自立支援法 第3条第3項(住居確保給付金)/第6条e-Gov法令検索
- 国民年金法 第90条(保険料の申請免除)e-Gov法令検索
2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認した条文です。金額・必要書類・審査にかかる日数は保険者によって違います。条文で全国共通なのは、支給の要件と、申請書に何を添えるかまでです。
いまは生活を立て直すのが先です
転職はあとで構いません。落ち着いてから考えるときのために、どういう選択肢があるかだけ見ておくこともできます。登録した日に動き出す必要はありません。
- いま決めなくて構いません。どんな選択肢があるかを見るだけで終われます
- 体調が戻ってからで構いません。登録した日に動き出す必要はありません
- 対応範囲は運営元により異なります。掲載内容は公式サイトの公表値です
傷病手当金ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。