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12か月に満たないときは「いずれか少ない額」を使う

傷病手当金の額は「給与の3分の2」と説明されます。ところが第99条第2項には長いただし書があり、勤続が短い人は計算が変わります。条文の構造をそのまま追います。

本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。実際に支給されるかどうか・金額・必要書類は、加入している健康保険の保険者(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など)によって運用が異なります。申請と最終的な判断は、加入先の保険者にご確認ください。本サイトは病気の症状・診断・治療については扱いません。

本サイトでは金額を計算しません。標準報酬月額は保険者が決定するもので、本人が自分で決められるものではないためです。実際の額は加入先の保険者にご確認ください。ここでは条文の式だけを整理します。

このページの内容
  1. 原則の式
  2. ただし書が働く場合
  3. 2つの額を比べる
  4. 標準報酬月額は誰が決めるか
  5. 状況別の考え方
  6. よくある取りこぼし
  7. よくある疑問
  8. 一次情報

原則の式

第99条第2項の本文はこうです。

「傷病手当金の額は、一日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した十二月間の各月の標準報酬月額を平均した額の三十分の一に相当する額の三分の二に相当する金額とする。」

原則の計算の順番(条文のとおり)

  1. ① 直近の継続した12月間の標準報酬月額を平均する支給を始める日の属する月以前の12か月。
  2. ② 30分の1にする5円未満の端数は切り捨て、5円以上10円未満は10円に切り上げる(条文の括弧書き)。
  3. ③ 3分の2にする50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は1円に切り上げる(条文の括弧書き)。

端数処理まで条文に書かれています。①の平均に端数処理はなく、②と③にだけ規定があります。

ただし書が働く場合

第99条第2項のただし書は、こう始まります。

「ただし、同日の属する月以前の直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が十二月に満たない場合にあっては、次の各号に掲げる額のうちいずれか少ない額の三分の二に相当する金額とする。」

入社してから1年経っていない人が、ここに当たります。転職した直後も同じです。

2つの額を比べる

ただし書の2つの額(第99条第2項各号)

何の額か計算
第1号自分の実績支給を始める日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1
第2号全被保険者の平均支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を報酬月額とみなしたときの標準報酬月額の30分の1

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認しました。この2つのうち「いずれか少ない額」の3分の2が傷病手当金の額になります。両号とも5円未満切捨て・5円以上10円未満切上げの端数処理があります。

第2号は「全被保険者の平均」という外部の数字です。自分の給与が全被保険者の平均より高い場合、第2号のほうが少なくなり、そちらが使われます。

第2号の額は毎年度変わります。本サイトでは数値を書きません。加入先の保険者にご確認ください。

標準報酬月額は誰が決めるか

第99条第2項の括弧書きに「被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る」とあります。

つまり標準報酬月額は保険者が決定します。給与明細の額をそのまま使うわけではありません。

また第99条第3項は「前項に規定するもののほか、傷病手当金の額の算定に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める」としています。条文だけでは完結しません。

状況別の考え方

入社して半年で休職することになった

第99条第2項ただし書が適用されます。2つの額のうち少ないほうの3分の2です。実際の額は保険者にご確認ください。

転職したばかりで前の会社の期間がある

条文は「標準報酬月額が定められている月」を見ています。保険者が変わっている場合の扱いは保険者にご確認ください。

給与が高いほうだと思う

第2号(全被保険者の平均)のほうが少なくなり、そちらが使われる可能性があります。保険者にご確認ください。

ちょうど12か月になるところ

ただし書は「十二月に満たない場合」です。12か月あれば本文の原則が適用されます。判定は保険者が行います。

残業代が多い月と少ない月がある

条文が見るのは標準報酬月額であって、実際の支給額ではありません。標準報酬月額は保険者が決定します。

よくある取りこぼし

「給与の3分の2」だと単純に思っていた

条文が見るのは標準報酬月額であって、実際の給与額ではありません。

勤続が短くても同じ計算だと思っていた

第99条第2項にただし書があります。

ただし書の第2号を見落としていた

全被保険者の平均という外部の数字と比べます。

端数処理を知らなかった

30分の1のところで5円未満切捨て、3分の2のところで50銭未満切捨ての規定があります。

自分で計算した額が出ると思っていた

標準報酬月額は保険者が決定します。

第3項を読み飛ばしていた

「その他必要な事項は厚生労働省令で定める」とあります。条文だけでは完結しません。

よくある疑問

結局いくらになりますか

本サイトでは計算しません。標準報酬月額は保険者が決定します。加入先の保険者にご確認ください。

前年度9月30日の平均額はどこで分かりますか

保険者が公表しています。毎年度変わります。加入先の保険者にご確認ください。

ボーナスは計算に入りますか

条文が見るのは標準報酬月額です。標準賞与額の扱いは保険者にご確認ください。

途中で標準報酬月額が変わったら

条文は「直近の継続した十二月間の各月の標準報酬月額を平均した額」としています。変動があれば平均に反映されます。

健康保険組合だと上乗せがありますか

付加給付を設けている健康保険組合があります。健康保険法の定めとは別です。加入先の組合にご確認ください。

確認に使った一次情報

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認した条文です。保険者ごとに付加給付や運用の違いがあります。加入している健康保険の保険者にご確認ください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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