条文が求めているのは2つだけ
「退職したら傷病手当金は打ち切り」と思われがちですが、健康保険法第104条に継続給付の定めがあります。条文が求めている要件は2つだけです。ただし、どちらも満たすのは簡単ではありません。
本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。実際に支給されるかどうか・金額・必要書類は、加入している健康保険の保険者(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など)によって運用が異なります。申請と最終的な判断は、加入先の保険者にご確認ください。本サイトは病気の症状・診断・治療については扱いません。
第104条の全文
「被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。」
2つの要件
第104条が求めていること
| 要件 | 条文の言葉 | |
|---|---|---|
| ① | 資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者だったこと | 「資格を喪失した日…の前日まで引き続き一年以上被保険者…であった者」 |
| ② | 資格を喪失した際に支給を受けていること | 「その資格を喪失した際に傷病手当金…の支給を受けているもの」 |
2026年9月15日に e-Gov法令検索で第104条を確認しました。括弧書きで「任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く」とされています。
①は「引き続き」です。合計で1年ではなく、途切れずに1年以上という書き方です。転職で保険者が変わった場合の扱いは、保険者にご確認ください。
「支給を受けているもの」の意味
②の要件は「その資格を喪失した際に…支給を受けているもの」です。
「受けられる状態」ではなく「受けている」と書かれています。退職日の時点で、傷病手当金の支給の対象になっている必要がある、という読み方になります。
「退職日に出勤すると継続給付を受けられない」と言われることがあるのは、この②が根拠です。出勤した日は「労務に服することができない」状態(第99条第1項)にあたらないためです。ただし具体的な判断は保険者が行います。必ずご確認ください。
どこまで受けられるか
条文は「被保険者として受けることができるはずであった期間」としています。
継続給付で押さえること
- 期間 被保険者として受けることができるはずであった期間(第99条第4項の通算1年6月の枠内)
- 保険者 同一の保険者から受ける(退職後も元の保険者)
- 任意継続との関係 第104条の括弧書きで任意継続被保険者は①の期間から除かれる
- 調整 第108条の報酬・年金との調整は退職後も関わりうる
支給期間の数え方はこちらです。→ 1年6月は「通算」で数える
状況別の考え方
退職日に挨拶だけでも出勤したい
入社して10か月で休職し、退職することになった
転職して保険者が変わっている
退職後に任意継続に入る予定
退職後に国民健康保険に入る
よくある取りこぼし
退職したら必ず打ち切りだと思っていた
第104条に継続給付の定めがあります。
1年の被保険者期間を「合計」で数えていた
条文は「引き続き一年以上」です。
退職日に出勤しても問題ないと思っていた
②の「支給を受けているもの」に関わります。保険者にご確認ください。
退職後は国保の保険者に請求すると思っていた
「同一の保険者から」と条文にあります。
任意継続なら自動的に続くと思っていた
第104条の括弧書きで除かれています。
失業保険と同時に受けられると思っていた
基本手当は「働ける状態」が前提です。手続はハローワークと保険者にご確認ください。
よくある疑問
退職日はいつにすればいいですか
1年以上の被保険者期間はどう数えますか
退職後の請求はどこにしますか
退職後に働き始めたら
出産手当金も同じですか
確認に使った一次情報
- 健康保険法 第99条(傷病手当金)/第104条(傷病手当金又は出産手当金の継続給付)/第108条(傷病手当金又は出産手当金と報酬等との調整)e-Gov法令検索
2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認した条文です。保険者ごとに付加給付や運用の違いがあります。加入している健康保険の保険者にご確認ください。
退職の前に、戻り先の選択肢も並べておく
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一次情報の確認先
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