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「出ない」ではなく「差額が出る」

給与が一部でも出ていると傷病手当金はもらえない、と思われがちです。第108条は「支給しない」と定めたうえで、ただし書で差額支給を定めています。ゼロか全額か、ではありません。

本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。実際に支給されるかどうか・金額・必要書類は、加入している健康保険の保険者(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など)によって運用が異なります。申請と最終的な判断は、加入先の保険者にご確認ください。本サイトは病気の症状・診断・治療については扱いません。

このページの内容
  1. 報酬との調整(第1項)
  2. 障害厚生年金との調整(第3項)
  3. 2つに共通する構造
  4. 確認するとよいこと
  5. 状況別の考え方
  6. よくある取りこぼし
  7. よくある疑問
  8. 一次情報

報酬との調整(第1項)

「疾病にかかり、又は負傷した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、第九十九条第二項の規定により算定される額より少ないとき(第百三条第一項又は第三項若しくは第四項に該当するときを除く。)は、その差額を支給する。

この一文が定めていること

「報酬の全部又は一部」とあります。一部でも報酬があれば第1項の対象になり、額の比較に進みます。

障害厚生年金との調整(第3項)

「傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき厚生年金保険法による障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づき国民年金法による障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金の額と当該障害基礎年金の額との合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額…が、第九十九条第二項の規定により算定される額より少ないときは、当該額と…当該各号に定める額との差額を支給する。」

第3項の構造

項目内容
対象同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病についての障害厚生年金
原則支給しない
合算障害基礎年金も受けられるときは合算額で比べる
例外算定した額が第99条第2項の額より少ないときは差額を支給
算定方法厚生労働省令で定める

2026年9月15日に e-Gov法令検索で第108条第3項を確認しました。第3項には号が続き、報酬や出産手当金の有無で差し引く額が変わる構造になっています。

本サイトでは各号の詳細には踏み込みません。報酬・出産手当金の有無で場合分けされており、厚生労働省令の算定も関わるためです。該当しそうなときは保険者と年金事務所にご確認ください。

2つに共通する構造

第108条の読み方(第1項も第3項も同じ形)

  1. ① まず「支給しない」と定める報酬を受けられる/障害厚生年金を受けられる場合。
  2. ② ただし書で比較するその額と、第99条第2項の額(本来の傷病手当金の額)を比べる。
  3. ③ 少ないときは差額を支給ゼロにはならない。

つまり第108条は「傷病手当金の水準までは埋める」という作りです。比較の基準はどちらも第99条第2項の額です。入社1年未満のときの計算

確認するとよいこと

保険者に確認するとよいこと

状況別の考え方

会社から休職中も給与の6割が出ている

第108条第1項の対象になります。その額と第99条第2項の額を比べ、少なければ差額が支給される構造です。判定は保険者が行います。

有給休暇を使っている日がある

有給の日は報酬が出るため、第108条第1項に関わります。扱いは保険者にご確認ください。

障害厚生年金を申請中

第108条第3項は「受けることができるとき」としています。裁定請求中の扱いは保険者と年金事務所にご確認ください。

障害基礎年金も受けられそう

第3項の括弧書きにより、合算額で比べます。

労災の休業補償を受けている

健康保険法第55条に、労災保険の給付との調整の定めがあります。第108条とは別の条文です。保険者と労働基準監督署にご確認ください。

よくある取りこぼし

給与が少しでも出るとゼロだと思っていた

第108条第1項ただし書に差額支給の定めがあります。

障害年金をもらうと必ず打ち切りだと思っていた

第3項ただし書に差額支給の定めがあります。

「受け取った額」で判定されると思っていた

条文は「受けることができる」としています。

障害基礎年金は関係ないと思っていた

第3項の括弧書きで合算します。

労災も同じ条文だと思っていた

労災保険との調整は健康保険法第55条です。

差額を自分で計算できると思っていた

第3項の算定は厚生労働省令によります。保険者にご確認ください。

よくある疑問

見舞金は報酬にあたりますか

本サイトでは断定しません。何が報酬にあたるかは個別の判断になります。保険者にご確認ください。

差額はいくらになりますか

本サイトでは計算しません。第99条第2項の額との比較になります。保険者にご確認ください。

障害年金の裁定請求中はどうなりますか

条文は「受けることができるとき」としています。裁定前の扱いは保険者と年金事務所にご確認ください。

老齢年金でも調整されますか

第108条第3項が挙げているのは障害厚生年金です。退職後の老齢退職年金給付については別の項に定めがあります。保険者にご確認ください。

調整があると通算期間は減りますか

第99条第4項は「支給を始めた日から通算して」としています。差額支給の日の算入は保険者にご確認ください。1年6月は「通算」で数える

確認に使った一次情報

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認した条文です。保険者ごとに付加給付や運用の違いがあります。加入している健康保険の保険者にご確認ください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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