本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する制度の記載は、厚生労働省・個人情報保護委員会の公表内容にもとづきます。

「返してください」ではなく、「消してください」

不採用になった。手書きの履歴書も、職務経歴書も、証明写真も、その企業の手元に残っています。返してもらおうとして断られた人は多いはずです。個人情報保護委員会の回答は、はっきりしています。返却義務はない。ただし消去の努力義務はある。だから求め方を変える必要があります。

本ページは厚生労働省・個人情報保護委員会が公表している資料の一般的な整理です。個別の質問や書類の求めが不適切に当たるかどうかの判断は、ハローワーク(公共職業安定所)または都道府県労働局が行います。実際に困っている場合は、最寄りの窓口にご相談ください。
このページの内容
  1. 個人情報保護委員会の回答
  2. なぜ返却義務がないのか
  3. 消去の努力義務
  4. 本人が請求できること
  5. 求め方を変える
  6. どこに言えばよいか
  7. いつまでに言うか
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

個人情報保護委員会の回答

個人情報保護委員会のFAQに、この質問がそのまま載っています。質問は事業者側からのものです。

Q9-20 会社の採用面接で不採用にした応募者から、当社に提出された履歴書の返却を求められていますが、個人情報取扱事業者として、返却に応じなければなりませんか。

回答を原文のまま引きます。

個人情報保護法では、本人からの請求による保有個人データの削除(法第29条)、保有個人データの利用の停止又は消去(法第30条)に関する規定は定められていますが、履歴書等の受け取った書類を返還する義務は規定されていません。そのため、個人情報保護法上、提出された履歴書を返却する義務はありません。

なお、法第19条では、個人データの消去についての努力義務が明記されていますので、個人情報取扱事業者は、個人データを利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければなりません。

なぜ返却義務がないのか

個人情報保護法が扱っているのは「データ」であって「紙」ではないからです。

法律が定めていることと、定めていないこと

求めること法律の規定
書類そのものを返す規定なし(個人情報保護委員会が明記)
保有個人データの削除法第29条(本人からの請求)
保有個人データの利用の停止・消去法第30条(本人からの請求)
利用する必要がなくなったデータの消去法第19条(事業者の努力義務)

出典:個人情報保護委員会 FAQ Q9-20。請求できるかどうかの条件は法律に定められており、すべての請求が通るわけではありません。

紙を返しても、コピーやスキャンが残っていれば意味がありません。法律は「情報がどう扱われるか」を規制していて、紙の所在は規制していない。だから返却は義務になっていません。

消去の努力義務

法第19条の努力義務は、本人が請求しなくても事業者側にかかっています。

個人情報取扱事業者は、個人データを利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければなりません。

「利用する必要がなくなったとき」——不採用が決まった時点がこれに当たるかどうかは、その企業の利用目的によります。「今後の募集の際に連絡する」といった利用目的が示されていれば、必要性は続いている扱いになりえます。

応募時に確認しておくとよいこと

本人が請求できること

返却は請求できませんが、削除(法第29条)と利用停止・消去(法第30条)は本人から請求できる仕組みがあります。

2つの請求

条文内容
削除の請求法第29条保有個人データの内容が事実でない場合などの訂正・追加・削除
利用停止等の請求法第30条保有個人データの利用の停止または消去

請求が認められる条件は法律に定められています。すべての請求が通るわけではありません。詳しくは個人情報保護委員会にご確認ください。

ここが実務上いちばん大事な点です。「履歴書を返してください」と言うと、企業は「返却義務はありません」と答えられます。「保有個人データの利用停止または消去を請求します」と言えば、話す土俵が変わります。

求め方を変える

同じ目的でも、言い方で扱いが変わる

言い方企業側の受け止め
「履歴書を返してください」返却義務はないと答えられる
「破棄してください」対応してもらえることはあるが、法律上の請求ではない
「保有個人データの利用停止または消去を請求します」法第30条にもとづく請求として扱われる

請求が認められるかどうかは、条件に当たるかによります。言い方を変えれば必ず通る、という意味ではありません。

企業には、本人からの請求を受け付ける窓口を用意することが求められています。採用ページやプライバシーポリシーに「個人情報に関するお問い合わせ先」が書かれていることが多いので、採用担当ではなくその窓口に出すほうが早いことがあります。

どこに言えばよいか

請求の順序

  1. その企業のプライバシーポリシーを開く個人情報に関する問い合わせ窓口が書かれています。
  2. 利用目的と保管期間の記載を確認する「利用する必要がなくなったとき」に当たるかの手がかりになります。
  3. 窓口宛に、法第30条にもとづく請求として出す応募日・応募した求人・氏名を添えます。
  4. 回答を保存するメールならそのまま残します。
  5. 対応がない場合は個人情報保護委員会に相談する個人情報保護法相談ダイヤルがあります。

いつまでに言うか

期限は定められていません。ただし、企業が保管期間を定めていれば、その期間を過ぎたデータはすでに消去されている可能性があります。

逆に、「今後の募集の際に連絡することがあります」と示されている場合、データは残り続けます。気になるなら、不採用の連絡を受けた時点で請求するのが分かりやすい形です。

応募先とのやり取りを、担当者に任せる

エージェント経由なら、応募書類の扱いや辞退の連絡を担当者を通して進められます。

運営:株式会社MyVision(有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-314719/東京労働局)。面談は無料・オンライン対応。広告(PR)を含みます。

確認の順序

不採用の連絡を受けたら

聞かれてはいけない14事項面接で聞かれたとき出せと言われた書類健康診断と既往歴不採用のあとの応募書類どこに相談するか

確認に使った一次情報

よくある疑問

手書きの履歴書と証明写真を返してほしいのですが。

個人情報保護委員会は「個人情報保護法上、提出された履歴書を返却する義務はありません」と明記しています。返却の可否は各企業の対応によります。募集要項に「応募書類は返却しません」と書かれていることもあります。

消去したかどうかを確認できますか。

確認の方法は法律に定められていません。請求に対する回答を保存しておくことが、できることの中心です。

転職エージェント経由で応募しました。

エージェントと応募先企業の両方が個人情報を持っている可能性があります。それぞれに確認する必要があります。

応募先が個人情報の窓口を公開していません。

採用の問い合わせ先に出すことになります。対応がない場合は個人情報保護委員会に相談できます。

14事項に当たる書類を出してしまいました。

採用選考の適切さについてはハローワーク・都道府県労働局、個人情報の取り扱いについては個人情報保護委員会と、窓口が分かれます。両方に相談して構いません。

何年も前に応募した企業のデータも請求できますか。

期限は定められていません。ただし、すでに消去されている可能性があります。

採用選考の法令ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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